SLE（全身性エリテマトーデス）について話すと、多くの人が自己免疫疾患であることを知っているでしょう。つまり、自分自身の免疫系が組織を攻撃し、慢性の炎症を引き起こします。若年女性に多く見られ、男性よりも女性に多い疾患です。治療方法の一つは、疾患の炎症をコントロールするためにステロイド薬を服用することですが、これが原因で早期に股関節が損傷する可能性があります。
股関節の変形とSLE
SLEは体の様々なシステムに影響を及ぼす慢性疾患であり、患者によって症状が異なります。 よく見られる症状には、発熱、疲労、食欲不振、頭痛、関節や筋肉の痛みがあり、手首、手の指の関節、膝、足首、そして股関節に関節や筋肉の症状が見られる場合があります。腫れ、赤み、時々の熱を伴います。
そのため、ステロイド薬を服用してSLEを治療する場合、少量であっても大量であっても、股関節の骨頭が血流不足で壊死（アバスキュラーネクローシス）を引き起こすリスクがあります。股関節は体の大きな関節で、十分な血流がないと血行が悪くなり、最終的には股関節の骨頭が死んでしまいます。従って、SLEが直接股関節の変形を引き起こすわけではありませんが、ステロイド薬の服用が股関節の変形を引き起こす可能性があります。これは、個々の体の状態、血液の状態、血管の状態によって異なります。
股関節の変形の症状
SLEによる股関節の変形の症状は、疾患の段階によって異なります。 これには以下のようなものがあります。
- レベル1 股関節がわずかに痛む、股のあたりが痛痒い、股関節を曲げたりする際に痛みを感じるが、普通に歩ける
- レベル2 動く度に股関節が痛む、痛痒い、普通に歩ける
- レベル3 股関節の骨頭が崩れる、歩きにくい、脚の長さが異なる、関節が不均整、痛みがひどくて眠れない
- レベル4 股関節の窩、骨盤に食い込んだ骨が損傷して股関節が非常に痛む、歩けない
股関節の変形治療
- 股関節の骨頭に穴を開ける手術 （Core Decompression）股関節の骨頭への血流を増やすために行われる
- 筋肉を切らずに隠れた切開で人工股関節置換を行う新しい技術 前方アプローチで行われ、筋肉を切らずに、痛みが少なく、回復が早く、動きやすい入院期間は1～2日で、通常の生活に早く戻れる 両方の側を同時に行うことができ、一度の手術で脚が均等になる利点がある (詳細はこちらhttp://bdms1devtwo.prod.acquia-sites.com/th/node/1451)
ステロイドと股関節の変形
SLE、突発性難聴、喘息、脳神経の炎症、腎疾患など、治療にステロイド薬の服用が必要な疾患があります。症状と疾患の重症度に応じて適切な量を医師が決定します。多くの人が、大量のステロイド薬の服用が若年での股関節の変形を引き起こすと考えていますが、実際にはステロイド薬の量や服用期間が若年での股関節の変形を決定するわけではありません。これは個々の体質によって異なります。